しろふくの転職応援ブログ

現役採用担当が転職を考えている皆様にお伝えしたいこと

特許事務の求人に経験者のみが多いのはなぜ?

こんにちは、しろふくです。
特許事務の求人を見ていると、応募条件として「経験2年~3年以上」と書いている事務所が沢山あります。
未経験で特許事務の求人を探すのは、難しいのが実情ですがどうしてなのでしょうか。

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特許事務は、とにかく覚えることが多いからです。

特許事務には大きく分けて、国内事務外国事務があります。

国内事務は日本国特許庁だけを相手にすれば良いとはいえ、法律や手続きの料金も変わりますし、早期審査や各種割引制度など、周辺の知識を持っていないと、実際のお客様にアドバイスしたりするのは難しいです。
これらは、実務を通して、1件1件異なる案件をこなしながら、先輩から教えていただきながら身につけるのですが、入所して1年ではまだ経験していないケースも多く、どこの事務所へ行っても、だいたい2年~3年で一人前になるのではないかという感覚は共通だと思います。

外国事務の場合、相手国の制度を調べる必要があります。
大きな事務所の場合は、米国担当、中国担当と担当者を分かれているので、その国の法律のみ知っていればよいのですが、そこまでの規模の事務所の数は、そんなに多くなありません。
小さな事務所の場合は、国別に担当者が決まっているのではなく、その都度出願する国の制度を調べます。アジア数ヶ国に出願する場合など、法律自体がまだ出来ていない事も多く、調べるだけで相当な時間がかかります。
もちろん全部を自分で調べるのは大変ですので、現地の代理人(現地の特許事務所)に聞いて確認します。国によって法律も、休日も、文化も違いますので、相手に合わせるコミュニケーション能力も必要です。特に時間の感覚が違う国とのやりとりは、本当に難しいです。

以上のように、事務手続きの内容を確認するだけでも、国内、外国とも其々の苦労があるのですが、それに加えて、顧客毎に異なる書類の送り方の指示や、同じ所内でも各弁理士からくる要望などに、きめ細やかに対応する必要があります。
人を育てるのに時間がかかるのです。

雇う側からすれば、3年たってやっと一人前になった方が退職することになった場合、すぐに補充しなければならないため、新人を一から育てる時間的余裕もなく、経験者は重宝されるのです。


ということは、もしあなたが3年以上特許事務をやっている場合、転職先はいっきに広がります。もしまだ3年たっていないということであれば、今の場所でもう少し頑張ってみるということも考えてみてください。