しろふくの転職応援ブログ

現役採用担当が転職を考えている皆様にお伝えしたいこと

大学の研究者から特許調査職へのキャリアチェンジのすすめ

こんにちは、しろふくです。
2月も後半になってきて、少しずつですが春の訪れを感じます。
私の家族は花粉症で大変そうですが、皆様は大丈夫ですか?

さて本日は、大学で研究職をされている方に向けて書いてみます。
大学での研究職は教授、助教授クラスであれば正社員雇用が一般的ですが、助手や特任教授の場合、契約社員での雇用が多いです。
その場合4月から始まる5年間の契約であることが多く、それが切れるのが3月末です。
契約した時点で終わりがある事は分かっていますので、早い方は最終年度の4月ごろから仕事を探し始めます。そして年が明けてまだ仕事が決まっていないと、本当にあせりますよね。。

5年の任期が切れるので、今までの経験を活かして、次の職も研究職を探そう、としている方もいらっしゃいますが、びっくりするのはその給与の低さです。今まで研究者の方の履歴書も沢山拝見してきましたが、博士号まで取得された方が、年収150万~200万で働かれているのを何度も目にしました。これでは博士号を取りたいと思う人も増えない訳です。。

研究者の方が特許調査に向いている理由

ここで私が強調したいのが、研究者の方々に、知財業界も検討して頂きたいということです。研究職の方が持つメリットとして「多くの論文を英語で読んでいるので、英語に対する苦手感がある方が少ない。かつ早く読むことができる」ことがあげられます。
エンジニアも昨今は海外の方とのコミュニケーションを求められますが、研究者の方々は読んでいる英文の量が違います。これは特許調査をする上で非常に役に立つのです。
特許調査も昨今では日本の文献だけを読んでいても全体の半分も網羅しない場合もあります。英文を早く正確に読むことは、この業界では必須事項なのです。

具体的な仕事の探し方

さて、それでは実際にどのように職を探せば良いでしょうか?
以前の記事で、大学関係の研究職の方が使っているサイトとして、JREC-INがあることはご紹介しました。

www.shirofuku.comこちらのサイトで検索キーワードに「特許」と入れてみましょう。
2019年2月23日現在、31件がヒットしました。大企業の知財部や特許調査会社、特許事務所での仕事などが出てきます。


現在特許調査業界は人手不足であり、優秀な検索者を求めて年収1000万円以上の求人が出ていることもあります。研究者の皆さんには、英語の論文を読めるスキルを活かして、知財業界へ転職できるということを、知っていただきたいと思いました。

今まで次の職場として大学しか考えていなかった研究者の方、興味を持たれたら検討してみて下さいね。

 

弁理士の転職について(事務所から事務所へ)

こんにちは、しろふくです。
特許事務所に在職中のみなさん、他の特許事務所への転職を考えたことはありますか?
ほとんどの方、一度や二度はあると思います。

実際、事務所から事務所への転職は可能なのでしょうか?
経験の長い場合とそうでない場合に分けて説明します。

1.経験の長い場合(概ね5年以上)

きちんとした明細書の書ける経験豊富な弁理士は、年齢に関係無くどの事務所でも採りたいところです。年齢が上がると相応の年収(1000万円以上)となってしまいますので、若い程転職しやすいとお考え下さい。20代、30代前半の方、どの紹介会社でもひっぱりだこだと思います。

弁理士歴が長いとどこへ行っても知った人がいるという狭い世界になります。人のつながりは他の業界より濃いため、転職したいという話があれば、弁理士名で特許公報を検索し、ネット上に公開されている明細書を見てすぐに面接に来て、という場合もあります。実績のある方は40代だろうが50代であろうが、次の事務所に移れるのです。

また、明細書だけでなく、特許調査をメインでやってらっしゃる方も、状況は同じです。こちらは自分の仕事がそのままネット上に公開されませんが、最近では特許検索大会の結果に個人名や企業名が出ますので、転職に有利になることもあります。

大会結果 2017 | 特許検索競技大会

2.経験がない、または短い場合

未経験者でもご自身が20代の場合、まずどの事務所でも面接までは行くと思います。最近では30代も問題ないかもしれません。弁理士も他の業界と同じく、若ければポテンシャル採用されます
ただし、すでに在籍している弁理士との年齢構成も考慮されます。ほとんどの特許事務所では、弁理士紹介のページに弁理士の写真を掲載していますので、もし具体的に移りたい事務所があるならば、見てみましょう。自分と同じくらいの年齡の方がいるでしょうか? その方々よりもご自身が若い場合はOKですが、未経験かつ自分が最も年上になりそうな場合、その事務所へ転職するのは難しいでしょう。

一方、弁理士試験に40~50代で合格し、明細書を書いたことがない(案は出したけど、自分で明細書の文章を作成したことがない)場合、特許事務所に弁理士として入所するのは難しいです。明細書はある程度量をこなさなければ書けるようになりませんが、その時間が圧倒的に少ないからです。
その場合、特許調査の仕事があります。普通の特許調査は難しいですが、登録調査機関の検索業務実施者という仕事があります。特許庁の審査の元になる資料を作成する仕事ですが、定年退職後にこの仕事を始める方も多いという特殊な仕事で、こちらであれば中高年未経験の方も歓迎されます。こちらは過去にも何度かご紹介しました。

www.shirofuku.com

www.shirofuku.com

今の時期、次の年度に向けて登録調査機関では検索者を大量に採用します。
1月、2月が選考のピークとなりますので、ご興味のある方はお気をつけ下さい。

特許事務と一般事務の違いとは

こんにちは、しろふくです。
昨日が仕事納めという方も多かったのではないでしょうか。
仕事は終わりましたが、転職したい方にとっては、年末年始は貴重な時間です。
今後の方針を検討したり、実際に応募したり、仕事が始まってからではなかなかまとまった時間が取れないと思いますので、お休みを有効活用して下さい。

今日は、特許事務と一般事務の違いについて書いてみます。(特許事務に興味はあるけどよく分からない方向けです)

1.特許事務とは

 特許関係の事務をするんだろうなあ~というのは分かると思います。では特許関係の事務とは何か? 一番多いのは特許を出したいというお客様(企業の知財部が多いですが、中小企業の社長だったり、個人だったりもあります)に、特許を出す(=出願といいます)お手伝いをする仕事です。
 弁理士(=そもそも弁理士も難しいと思いますが、技術専門の弁護士のようなイメージ)が、お客様の話を聞いて、明細書という発明を記載した文書を作成します。特許事務の仕事は、すごく大雑把に言うと、発明を文書にする仕事以外の仕事をします。
 具体的な流れで説明すると、発明者と弁理士が明細書を書くための打ち合わせをした後、発明者から資料を貰ったり、明細書の案をお客様に送ったり、できた明細書を特許庁に提出したり(=出願、インターネットでする事が殆ど)、請求書を送ったり・・・このあとも色々なイベントが特許出願より権利消滅まで25年間続きます。

2.一般事務との違い

 一般事務との違いについて、聞かれることも多いです。そもそも一般事務の定義も色々ありますので難しいところですが、備品を買ったり、電話を受けたり、請求書を発行したり、というどの会社にも必要な仕事、との比較でいうと、法律に基づいているかどうか、というところでしょうか。

3.特許事務が向いている人

 法律に基づいているために、色々なルールが存在し、それを自分で理解しなければならないのと同時に、お客様にも説明しなければなりません。もちろん難しい話は弁理士が担当しますが、「年金を支払わなければ特許権は維持できないし、金額は年数が増えるほど上がっていく等」の特許のルールを、お客様に納得いただけるように説明するのも仕事の1つです。弁理士は技術の話をしますが、特許事務員も技術以外の話については、知財分野のプロである必要があります。法律は年々変わるものですので、それを勉強し続けることが求められます。
 この辺は士業事務所共通の事だと思いますので、他の士業事務所の経験がある方は特許事務所に入りやすいかもしれません。手続き1つ1つに期限があり、それを守ることが絶対に求められるのも同じです。スケジュール管理能力が問われます。

4.特許事務が向いていない人

 したがって、お客様に説明する事が苦手だとか、制度や法改正の内容を覚えることが苦痛という方は、この仕事向きではないでしょう。お客様に間違ったことを伝えられないので、分からないことは先輩に聞いたり、自分で特許庁に確認したります。
 特許事務所では国内事務と外国事務とに分かれているところが多いですが、国内事務であれば、まだ日本の法律だけを追っていれば良いですが、外国事務の場合、相手国の法律の制度についても調べなければなりません。そういう場合は、海外にも特許事務所に対応する代理人がいて、その方々とやりとりをします。アジア各国ではまだ法律ができていないといった国もありますので、回答が来るまでに何週間も待たされるなどどいうこともあります。そういった各国の対応に柔軟に対応できないと、ストレスがかなり貯まります。

5.特許事務求人の探し方

 以上難しそうな事も書きましたが、お客様のために勉強し続けるのは苦でない人なら特殊な世界だけに重宝される仕事です。実際に、50代になっても仕事ができる人は転職できるのが特許事務です。
 応募するかどうかは別として、実際の求人を見てみると応募要件が分かります。経験者であるという求人は多いものの、未経験者も受け入れている事務所もあります。正確に処理できること、などが挙げられているかと思います。

 まずは、以下の2つで「特許事務」で検索して下さい。

・パテントサロン・求人スクエア

★パテントサロン★ 求人スクエア 特許事務所,企業知財部などの求人・転職・就職情報

・知財ナビ・弁理士お仕事ナビ

知財・弁理士お仕事ナビ|知財・弁理士業界に特化した転職サイト

 

上記に求人を出していない特許事務所もありますので、それについては、

・Indeed

Indeed (インディード)

で「特許事務」と入れて探してみてください。


今回は特許事務の仕事について良く分からない人向けに書いてみました。
長く続けられる特許事務の仕事、興味を持たれた方は、お休みを利用してぜひ自分で調べてみてください。

皆様、今年5月から始めたブログも、今年は本日でブログ納めです。
読んで頂き、ありがとうございました。そしてまた来年もよろしくお願いします。

 

40歳を過ぎてから弁理士試験に合格された方へ

こんにちは、しろふくです。

40歳を過ぎてから弁理士試験に合格された方いらっしゃると思います。
知財部への異動が30歳後半だったとか、昔目指した弁理士をあきらめきれないとか、理由は様々だと思います。
ですが、苦労して弁理士に合格し、いざ明細書を書こうとしても、仕事で毎日明細書を読んでいない限り、これがなかなか書けないのです。

せっかく苦労して取った弁理士資格、無駄にしたくないですよね。
こういう事態になった時、選択肢は以下のどちらかです。 

 

 1.どうしても明細書が書けるようになりたい方へ

弁理士は明細書を書いてなんぼ、というお考えの方、まずはたくさんの明細書を読む必要があります。とにかくたくさんの明細書を読む仕事は?・・・特許調査でしたね。

www.shirofuku.com

さあ、今すぐ特許調査の仕事を探しましょう。

特許調査→明細書の順序は、あなたが何歳かに関係なく一番効率の良いキャリアチェンジですが、40歳を過ぎている方なら、これ以外の選択肢はないと思います。

 

2.明細書以外の弁理士の仕事を探す方へ

明細書を書くだけが弁理士の仕事ではありません。弁理士資格を活かして、どのような仕事ができるでしょうか?

・企業の知財部

   企業の知財部では直接明細書を書かずに、特許事務所に頼む事が多いですが、頼む側が弁理士だと、特許事務所の担当者の態度も変わってきます。というわけで、企業側も弁理士資格を持った方を求めています。

 

・産学連携

   大学で研究者として働いていた方、大学初ベンチャーも増えてきました。理系学部のある大学ならTLO(Technology Licensing Organization(技術移転機関))もある所が多いです。技術も知財も分かる方は、まだ数が少ないです。

 

・ベンチャー支援

 ベンチャー企業は、商標登録や特許申請など、弁理士に聞きたい事は山ほどあります。現在   中小企業診断士をお持ちの方や、企業にお勤めのコンサルタントの方も将来の起業に役立ちます。

 

・予備校講師

    今後高齢者が増えていく中で、年齢を重ねてから合格した貴方の経験は、受験生を勇気づけるに違いありません。講師経験や研修担当の方など受験生をサポートするのがお好きな方、いらっしゃるのではないでしょうか。

 

明細書を書かなくても、弁理士の資格が役立つ仕事はたくさんあるのです。特許事務所に拘る事なく、今までの経験や興味に応じて、弁理士資格を活かせる活躍の場を探して下さい。

弁理士の年収ってどのくらい?

今年は暑い夏でしたが、あっという間に9月ですね。
今日は弁理士の年収について書いてみます。

弁理士の求人には種類がありますが、
1.未経験
2.新人:経験1~2年
3.中堅:経験3~10年
4.ベテラン:経験10年以上
5.特殊なケース
に分けてみました。

1.未経験

目安:400万円
年齢は30歳前後、弁理士試験に合格したばかりで、受験予備校の合格祝賀会などを通じて、新しく特許事務所に就職しようという場合の目安の金額です。明細書は読んだことがあり、出願もしたことはあるが、自分で書いたことはない方を想定しています。
特許事務所の規模によって前後しますが、大体400万円が相場ではないでしょうか。

2.新人:経験1~2年

目安:500~600万円
先輩に教わりつつ、少し自分で明細書が書けるようになってきました。分野も少しずつ広がってきましたが、まだ先輩に見ていただくレベルの方です。

3.中堅:経験3~10年

目安:600~1,000万円
自分で明細書がどんどん書けるようになってきます。また弁理士会の委員会活動などで、弁理士のネットワークも構築されてきます。
このレベルでは、よりよい収入と環境を求めて、転職が盛んになります。収入ばかりに目が行きがちですが、環境もそれ以上に大切です。自分が成長できるかで判断してください。

4.ベテラン:経験10年以上

目安:1,000万円以上
明細書はもちろんのこと、訴訟なども経験し、弁理士会の要職も経験するようになります。早い方は、パートナーになる方もいらっしゃいます。そうすると自分で営業活動ができますので、どんどん収入が増えていき、2,000万を超える方も出てきます。
このクラスの弁理士になると、スカウト会社より頻繁に電話がかかってきますので、ある程度の方向性を決めておいた方が良いかもしれません。

5.特殊なケース

目安:400万円以上
定年退職してから弁理士試験を受験することにした場合や、特許庁の審査官を経験後、弁理士になる方もいらっしゃいます。そのような場合は高齢(60歳以上)の場合も多いですが、大体新人や若手と同じ条件となります。


いかがでしたか?
イメージより少なかったでしょうか? 上記は特許事務所で働く弁理士を想定しておりますが、一般的に企業の知財部の弁理士はもう少し高い金額となります。
また上記の場合は、年数に応じてスキルが伸びることを想定しておりますが、一般企業のサラリーマンと一緒で、10年たっても明細書が思ったように書けない場合は、新人や中堅の方と同じ給料の方も多いため、自動的にこの金額になる訳ではありません。

年収だけが仕事を選ぶ理由ではないと思います。ですが、これから弁理士を目指す方々に、この仕事を選ぶ際の目安としていただければと思います。

知財未経験の方が最初に取得すべき資格【知財検定3級】受験の注意点

知財検定については、以前、未経験の方が知財業界への本気度を示すために、知財検定3級を取得した方が良いと書きました。

www.shirofuku.com

現状(2018年7月)において、知財未経験の方がレベルとして最も取得しやすい知財系の資格が、知財検定3級になります。しかも年に3回実施されるので、万一不合格の場合でもまた受け直せばよいわけです。基本的に年に3回(3月、7月、11月)実施されます。

www.kentei-info-ip-edu.org
ここで注意点ですが、2019年の予定については2回(3月、7月のみ)になっています。今後3回目が追加されるのか、もしくは2019年以降については2回になってしまうのか、発表はされていないようですが、受験を予定されている方は注意してください。
→2019年は3回のようです(2019.5追記)

また、試験範囲についても2018年7月より変更になったようで、具体的な変更点が下記に示されています。

www.kentei-info-ip-edu.org

特に追加になった部分については、その後1~2年ぐらいは集中的に出題される傾向がありますので、対策をしっかりとしてください。
特に古いテキストや問題集を使っている方は、気をつけて下さい。最新版について対応されたテキストや問題集も発売されていますので、今後購入を考えている方は、改定後のものを購入してください。

www.upload-j.com


受験されるすべての方の合格を願っております。

 

 

 

【未経験弁理士の方へ】最短で良い明細書を書けるようになる方法

弁理士は、多くの知財経験のある技術者の方が目指す資格ですが、何年もかけて取得したにも関わらず、いざ明細書を書こうとしたら難しくて挫折される方がいらっしゃるのも事実です。
今回は、明細書を書ける弁理士になるための、回り道のようで実は最短なルートについて、紹介します。

特許調査という選択

それは、まず特許調査をする事です。

念願の弁理士登録をして明細書を書ける仕事に転職しました。じゃあ明細書書いてみてと言われても、そんなにすぐに書けるものではありません。
企業で特許出願の経験がある方でも、自分の書いた明細書が知財部や弁理士に修正されて戻ってくるのが普通で、自分が書いたまま出願されたという方はそんなに多くないはずです。
まず明細書の独特の言い回しに慣れるまでが大変です。理系の方であれば、構成要件を思わず箇条書きにしたくなるのではないでしょうか?

良い明細書を書くために必要なことは、良い明細書を数多く読むことです。
そのために一番良い仕事が特許調査です。調査の仕事は、とにかく読む明細書の数が違います。
たくさん読んでいると、この明細書はひどすぎると思えるものも、これは誰が書いたのかと思わず名前を見てしまう、すばらしい明細書もあります。その経験が良い明細書を書くためのベースとして仕事をしながら習得できるわけです。

登録調査機関での特許調査業務

さらにいえば、私のイチ押しなのが、特許調査のなかでも、特許庁の登録調査機関の調査です。これは特許庁の審査官のために、検索した結果を報告する仕事ですが、年単位で仕事が発注されるため、基本的に毎日朝から晩まで仕事が確実にあります。
こちらは1日に数百件から千件以上の明細書を読んで読んで読みまくる仕事ですので、仮に1日500件、年間休日125日として500✕240=120000、1年で12万件の特許を読んでいる訳です。
民間の特許調査の仕事だと、発注がなければ仕事が無いわけで、毎日コンスタントに朝から晩まで特許調査しているということはないでしょう。

さらに、この仕事ですが、定期的に審査官と面接(対話といいます)しますので、審査官がどのように考えて登録・拒絶の判断をしているのかを月に何回か聞くことができます。どうすれば登録になるのか直接教えて貰えるという訳です。


というわけで、将来的には明細書を書きたいと思っている方、
 未経験弁理士取得者 → 特許事務所弁理士
よりも
 未経験弁理士取得者 → 登録調査機関検索者 → 特許事務所弁理士
の方が、回り道のようで、実際は最短で良い明細書が書けるようになると思います。

このコース、考えたこともなかったという方多いと思いますが、ぜひご検討ください。


登録調査機関についてもっと知りたい方、こちらでも紹介しております。

さらにこの仕事ですが、入社時期にも制限があることが多いのでご注意下さい。

 

 

 

 

知財の仕事をお探しの方へ ~一度は確認して欲しい特許庁の求人~

こんにちは、しろふくです。

知財の求人は、企業知財部か特許事務所しかないと考えている方、特許庁の求人をご覧になったことはありますか?

特許庁といえば、多くの方が思い浮かべるのが審査官の仕事でしょう。でも国家公務員だし、大学生の時から公務員志望として計画的に公務員試験など受けてないから、と思っていませんか。

5年間の任期がある「任期付審査官」とよばれる審査官の中途採用もあります。私の在籍した会社で、実際にこの試験を受けて審査官になった方がいます。いきなり弁理士を目指すのではなく、一度この任期付審査官を経験してから、5年のあいだに弁理士を目指すという方も多いようです。

また、審査官だけが特許庁の仕事ではありません。審査官以外にも、事務職員や各種調査員など、多くの職種が以下のサイトに掲載されていますので、一度のぞいてみてください。

採用情報 | 経済産業省 特許庁

 

特に、特許事務は過去に紹介したように、未経験者は就きにくい職種だと言われますが、私の在籍した事務所では、意匠調査員を経験したあと、特許事務職で採用された方もいました。


未経験から知財分野へ転職したい方、特許庁は敷居が低いため、知財経験を積むための第一歩を踏み出せるかもしれません。

大学における知財関係の求人を探すには外せないサイト

最近は企業ばかりではなく、大学においても知的財産を扱う部署を設け、企業との共同研究で出たアイデアを特許出願する事も普通に行われています。

TLOとは

大学の中にTLO(Technology Licensing Organization, 技術移転機関)と呼ばれている機関があり、その業務を行っていることが多いです。

特許事務所と比べて数は少ないですが、現在理工系の大学院がある学校では、ほぼ全てにこのような知財担当の業務があります。
メーカーの研究所勤務で、大学と共同研究された経験のあるかたは、この機関についてご存じかもしれません。もしくはご自身が論文を書く際に、特許出願された方は、この機関にお世話になった事があるかもしれませんね。

TLOについてもっと詳しく知りたい方は、以下のサイトがおすすめです。
全国にあるTLOの一覧や設立の経緯、元になっている法律や、承認TLOについてなど、
詳しく纏められています。
大学の技術移転(TLO)(METI/経済産業省)


さて、このようなところで働きたい場合には、どこで求人を探せば良いのでしょうか?
マイナビやリクナビでも大学関係の求人は見ることがありますが、まず最初に見てほしいサイトがあります。

求人はJREC-INで

JREC-IN (Japan REsearch Career Information Network) Portalというポータルサイトですが、ここには大学教授、大学職員の求人を含めたほぼすべての大学に関する求人が集まっています。


イノベーション創出を担う研究人材のためのキャリア支援ポータルサイト
JREC-IN Portal


ちなみに企業側も応募者側も利用は無料で、優秀な研究者の方を募集する媒体として非常に助かっております。マイナビ、リクナビ等に出す学校も、無料なのでJREC-INにも出すというところが多いです。

私は求人側でお世話になっておりますが、研究者の方でここから応募いただける方が非常に多いです。そう、実は学校でなくてもこちらのサイトに求人を出すことができます。
研究者の方が仕事を探すサイトということで有名なため、企業知財部や特許事務所でこちらに求人を出しているところもあります。

研究者、研究支援者、技術者などの研究人材のキャリア形成・能力開発に役立つ様々な分野の基礎的知識や技術について、学習することができるe-learning教材もありますので、ぜひ参考にしてください。

 

 

特許事務の求人に経験者のみが多いのはなぜ?

こんにちは、しろふくです。
特許事務の求人を見ていると、応募条件として「経験2年~3年以上」と書いている事務所が沢山あります。
未経験で特許事務の求人を探すのは、難しいのが実情ですがどうしてなのでしょうか。

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特許事務は、とにかく覚えることが多いからです。

特許事務には大きく分けて、国内事務外国事務があります。

国内事務は日本国特許庁だけを相手にすれば良いとはいえ、法律や手続きの料金も変わりますし、早期審査や各種割引制度など、周辺の知識を持っていないと、実際のお客様にアドバイスしたりするのは難しいです。
これらは、実務を通して、1件1件異なる案件をこなしながら、先輩から教えていただきながら身につけるのですが、入所して1年ではまだ経験していないケースも多く、どこの事務所へ行っても、だいたい2年~3年で一人前になるのではないかという感覚は共通だと思います。

外国事務の場合、相手国の制度を調べる必要があります。
大きな事務所の場合は、米国担当、中国担当と担当者を分かれているので、その国の法律のみ知っていればよいのですが、そこまでの規模の事務所の数は、そんなに多くなありません。
小さな事務所の場合は、国別に担当者が決まっているのではなく、その都度出願する国の制度を調べます。アジア数ヶ国に出願する場合など、法律自体がまだ出来ていない事も多く、調べるだけで相当な時間がかかります。
もちろん全部を自分で調べるのは大変ですので、現地の代理人(現地の特許事務所)に聞いて確認します。国によって法律も、休日も、文化も違いますので、相手に合わせるコミュニケーション能力も必要です。特に時間の感覚が違う国とのやりとりは、本当に難しいです。

以上のように、事務手続きの内容を確認するだけでも、国内、外国とも其々の苦労があるのですが、それに加えて、顧客毎に異なる書類の送り方の指示や、同じ所内でも各弁理士からくる要望などに、きめ細やかに対応する必要があります。
人を育てるのに時間がかかるのです。

雇う側からすれば、3年たってやっと一人前になった方が退職することになった場合、すぐに補充しなければならないため、新人を一から育てる時間的余裕もなく、経験者は重宝されるのです。


ということは、もしあなたが3年以上特許事務をやっている場合、転職先はいっきに広がります。もしまだ3年たっていないということであれば、今の場所でもう少し頑張ってみるということも考えてみてください。


 

特許図面を描く仕事を探しているけれどなかなか見つからない方へ

現在特許事務の担当をしているけれど、特許図面を描いている人を見て、私もやりたいと思った方、

 

設計事務所などで長く図面を描いていて、スキルを活かしてキャリアチェンジしたい方、

 

特許図面を描きたい方は、色々な理由で仕事を探していることと思いますが、なかなか見つからなくてお困りの方も多いのではないでしょうか?

 

そのとおり、特許図面の求人は、そもそも数が少ないのです。
特許図面の専門の担当の方がいるのは、大きな特許事務所のみです。少なくとも20名くらい所員がいないと、図面担当を置くのは難しいでしょう。

 

それではそれ以下の規模の特許事務所では、どのように図面を作成しているのでしょうか。

 

1.弁理士が作成する
  そもそも一人しかいないので、自分で書きますという弁理士も多いです。
  フローチャートのみの情報系の特許などでしたら、全く問題ありません。

2.図面作成業者が作成する(=外注)
  1.で弁理士が描けない複雑な図面については、専門の業者に依頼します。通常は  1つの業者が急な案件に対応できないこともありますので、複数の業者と契約をし  ておき、内容や納期に応じで依頼することが多いです。

3.図面作成担当が作成する
  所内の担当者が作成するのですが、小さい事務所だと、常に依頼がある訳ではあり  ませんので、図面担当者は特許事務や総務を兼務することが多いです。逆に特許事  務担当で採用されたが、図面も描けるようになったという方も多いです。

 

図面の仕事を探している人は、特許事務所だけでなく、2.の図面作成業者への就職を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。そこでは、3.と違い、朝から晩まで図面だけを描くイメージです。図面だけをできるだけ長時間描いて、上達したいという方はこちらの方が向いていると思います。

また、事務所限定で図面作成の仕事を探している方は、特許事務はもちろん、総務、事務所によっては翻訳、翻訳会社とのやりとりなども業務に入ってくることがあります。事務所の中の仕事をいろいろ経験してみたい方はこちらが向いています。

将来的に自分がどうなりたいかを考慮して、求人を選ぶようにしてください。

 

 

知財検定3級を書かない方が良い場合

こんにちは、しろふくです。
この記事をお読みの方は、知財検定(正式名称:知的財産管理技能検定)のことはご存知かと思いますが、念のためまだご存知ない方は、以下のリンクをご覧ください。

国家試験 知的財産管理技能検定 ホーム

弁理士試験以外で、知財業務のレベルを知りたいときに受験したり、特許事務所で取得を勧められたりする、知財分野の方なら一度は聞いたことがある検定試験です。

資格

書くか書かないかの基準

結論からいうと、

・未経験可の求人の場合、3級をお持ちでしたらぜひ書いてください。受験はしたがまだ結果が出ていない方、それも書いてください。

・経験者のみの求人の場合、2級以上をお持ちであれば書いてください。3級しかお持ちでなければ、書かなくて良いです。むしろ書かない方が良いです。

3級は少し勉強すれば合格できるので、採用側からすれば、資格の有無で知財の知識の有り無しを判断している訳ではありません。

3級合格はその方の知財分野への興味度をアピールするために書くのです。一般事務でも良いのではなく、私は特許事務がやりたいんです、というのに何かしら証拠があった方が、説得力が増します。

逆に経験者しか相手にしていないような求人の場合は、資格欄に知財検定3級と書いてあると、あたかも通訳の求人に英検2級と書いてあるようなものです。あまり良い印象は持たれないでしょう。2級の場合は、知財を業務でやっている方でも落ちる場合がありますので、書いて良いでしょう。1級だと、弁理士目指しているという意思表示にもなります。

資格欄を書く時の注意

ちなみに、知財と全く関係のない資格をずらずら書いてくる方がいますが、資格の欄に書ききれないほどの多くの資格は、単なる資格マニアだと思われてしまいます。業務に関係のある1、2個を書いておき、その他は関係が薄くても趣味の話に繋げられるものが1つくらいで十分です。

何も書いてないと印象が悪くなると思って、前述の知財検定3級や、英語検定3級などを書いてくる方もいらっしゃいますが、何でも書けば良いというものではなく、求められる求人の意味に合致していないと逆効果です。
資格欄が特になしでも不利になることは決してありません。
採用担当者は実務経験の方を重視するからです。

パテントサロンの求人は見ましたか?

「パテントサロン」ってご存知でしょうか。

 

特許業界の方なら一度は聞いたことがあるかと思います。
知財に関するニュース、セミナー情報などが満載のサイトです。

www.patentsalon.com

ですが、転職を考えているあなたがまず見るべきは、左上部分にある「求人スクエア」です。

★パテントサロン★ 求人スクエア 特許事務所,企業知財部などの求人・転職・就職情報

ここには膨大な量の知財系求人が集まっています。
特許事務所、企業知財部、大学TLO、翻訳会社等、あらゆる知財のポジションが掲載されており、その数は年々増え続けています。

 

なぜこんなに多くの求人がここに集まってくるのでしょうか。
それはこの掲載料だと思います。

■掲載料金

  1ヶ月間: 54,000 円(税込)
  3ヶ月間:  140,400 円(税込)
  6ヶ月間: 216,000 円(税込)

 

今どきこの価格で広告が出せるところはありません。しかも、何職種掲載してもこの料金というところが何とも良心的です。

私も何度もパテントサロンにはお世話になりました。
管理人の大坪さんは、月の途中で内容を変更したい時でも(しかも何度も)、対応してくださいます。それがここに求人が集まってくる理由のような気がします。

今どれくらいの知財求人が世の中にあり、募集の条件はどのようなものが多いか、を調べることができます。毎週のように求人が入れ変わっていますので、ブックマークして時々チェックしてみてください。

登録調査機関への転職は時期にご注意下さい

前回登録調査機関の記事を書きましたが、転職を考えている方へ、注意事項をお知らせします。この仕事をするにはINPITの研修があり、それに合格しないとその業務ができないというお話をしました。

www.shirofuku.com

INPIT研修は年4回

INPIT研修ですが、4月、7月、10月、1月の年に4回実施されます。研修参加の申し込み締切は前月の第2週あたりになることが多いですが、正確にはINPITのホームページで確認ください。毎回100名から150名ほどの方が参加され、60%~80%の方が合格されているようです。この合格率も同じくINPITホームページに公開されています。

www.inpit.go.jp

個人で申し込むより会社経由で

研修の紹介をしましたが、登録調査機関の仕事をするためには、個人でこの研修に申し込むのではなく、各登録調査機関にて採用活動をしていますので、それぞれの会社に応募してください。会社経由で申し込む場合、会社としても全員合格していただくため最大限のノウハウを提供するため、多くのサポートが得られるからです。個人で受験されて合格される方もいらっしゃいますが、会社経由の場合、研修費用も会社が負担している所もあります。また、同じ会社の同期の人と頑張るモチベーションもあり、登録調査機関経由での研修受講がオススメです。

 

それでは登録調査機関の採用時期ですが、上記の研修時期に合わせて年に4回募集しているところが多いです。これらの会社は社内で1ヶ月程度の事前研修を実施することも多く、その場合、3月、6月、9月、12月に入社することになります。こまめに募集の有無をチェックしてください。会社によっては3月に1年分の社員を採用し、その後採用しないというところもあるようですので、お気をつけください。

登録調査機関をご存知ですか

突然ですが「登録調査機関」って、ご存知ですか。
まだ知らない方、ご安心ください。知財分野が長くても知らない人のほうが多いです。

登録調査機関とは

特許庁のために先行技術調査を行う、登録された機関のことです。
日本には2018年5月現在、10社存在します。

www.jpo.go.jp
私は企業の知財部にいた頃、この機関について全く知りませんでした。業界の中にいてもこの機関について知っている人は少ないと思います。
ですが、これらの機関で募集している「先行技術調査」の仕事は、個人的には「知的好奇心の高い方には、これ以上の仕事はない」と思うほどのオススメの仕事です。何しろ自分の得意とする技術分野に関する特許文献を朝から晩まで読んで、報告書に纏めて審査官に報告するという仕事なのです。

登録調査機関で働くためには

この機関で特許調査検索者として仕事をするには、独立行政法人工業所有権情報・研修館(略してINPITと呼ばれます)が行う調査業務実施者を育成するための研修(法定研修)を受けて研修を修了(合格)する必要があります。
研修修了率は60~80%であり、必ず合格できるという研修ではありませんが、前述の登録調査機関にて独自の研修を行っており、合格するまでの手厚いサポートを受けられます。よって通常はこれらの会社に応募し、採用されてから(あるいは採用されることが決まってから)、研修を受講します。

 

この仕事の素晴らしいところは、50歳を過ぎた知財未経験者でもキャリアチェンジが可能であることです。70歳を過ぎて仕事をされている方も何人も知っています。高齢でなければならいということでなく、もちろん20代の方でも就職できます。本当に年齢に関係なく、長く続けられる仕事なのです。

そして私の意見ですが、明細書をバリバリ書く弁理士を目指す人は、まずこの仕事をやるべきだということ。該当する方はこちらの記事も御覧ください。


今回はじめて登録調査機関のことを知り、もう少し詳しいことを知りたい方は、上記の特許庁のサイトやINPITのサイトで調べてみてください。すぐにでもこの仕事に応募したくなる方もいらっしゃると思います。INPITのサイトは以下になります。