こんにちは、しろふくです。
久しぶりの3連休やってきましたね。皆さんどうぞ熱中症には気を付けて楽しくお過ごしください。私は何の予定もなく、まずは掃除からですか。。
さて、本日ですが、ある日系メーカーの経理職の中途採用の仕事をしておりますが、そこでのキャリアパスについて書いてみます。メーカーでの経理職を目指している方に、参考になればと思います。
1.まずは原価計算から
2.次に単体決算・連結決算へ
3.その先は専門分野または別の業種へ
1.まずは原価計算から
今採用をお手伝いしている日系メーカーですが、単体で社員4000名ほどの会社となりますが、経理部は部門として約70名です。
そのような会社に入社し、経理部に配属された社員がまずやる仕事、これが原価計算です。
メーカーでは、会社が仕入先から原材料や部品を購入し、それを加工して製品を製造したのちに得意先へ販売します。
製造過程では、材料などの調達費や組立加工費、設備の減価償却費などさまざまな費用が発生します。これらの費用を計算し、製品の製造原価を計算するのが原価計算となります。
一言で言うと簡単そうなのですが、このメーカーは銅製品を扱っており、銅はまずそのような単位で工場へ納入されるのか(板だったり、巻き線だったり)、どのように加工をして、その際に加工された余り部分はどのようにリサイクルされ、経理上はどこに計上するのか等々の理解が必要となります。たとえ経理でも、工場における一連の流れを理解していないと、この品目は何?というものが出てくるのです。
自社製品について理解を深めるのには、このポジションが一番都合が良いようで、他のメーカーの応募者も、新入社員研修後、すぐに原価計算の仕事をしている方が多いです。会社によっては工場に経理部門があり、そこへの配属となる方も相当数いらっしゃいます。
2.次に単体決算・連結決算へ
原価計算を一通り経験し、製品のできる仕組みやどこにコストがかかっているのかを理解したあとは(約3~5年程度)、単体の決算へ異動する場合が多いです。工場だけでなく会社全体としての決算業務を学びます。月次、四半期、年次など残業が多い月もありますが、何週か経験したのち、連結決算へと進みます。
海外工場などある会社では、英語や現地語でのやりとりがあり、考え方の違う現地の方への説明や依頼、内容チェックや修正など単体ではなかった苦労が発生しますが、これは単体での業務を理解してからでないと難しい業務となります。
会社によって異動時期は異なると思いますが、現在の会社だとここまでで入社から8~10年くらいかかっています。
3.その先は専門分野または別の業種へ
ここから先ですが、税務や財務など、興味に応じて専門性を高めていきます。面接の際にキャリアパスを伺うことも多いですが、経理系業務を一通り経験したいという方の割合は非常に高いです。そういった方の場合、経理部の中で税務、財務の担当に移るケースが多いです。
また英語力があり、海外志向の方は連結決算からの流れで海外子会社の管理をしたりする場合もあります。現地子会社での経理部門や場合によっては人事・総務などの経験をすることもあります。
また工場とのやりとりで原価の面白さにはまってしまい、原価を極めたいという方、生産技術や購買などの分野に行かれる場合もあります。
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以上、現職メーカーでの経理キャリアの例をご紹介しましたが、他メーカーも大きくは変わらないはずです。
メーカー経理の基本ともいえる原価計算、他業界にはない奥深い世界ですので、他業界からメーカーへの転職を考えている方は、20代のうちに原価計算を経験することをお勧めします。