しろふくの転職応援ブログ

現役採用担当が転職を考えている皆様にお伝えしたいこと

エージェントを使わずに転職活動する方へ ~スカウトされにくい・されやすい応募書類とは~

こんにちは、しろふくです。
先週は以前在籍した会社の方と楽しいひとときを過ごしました。転職してもお誘いいただけるのは本当に嬉しいことです。

さて、先日エージェント探しについてその難しさをお伝えしましたが、ご自身でも転職活動はできます。その場合、直接応募することもありますが、スカウトされることを意識して活動するべきで、今日はその事についてお伝えします。

1.エージェントを使わない転職活動とは
2.スカウトされにくい・されやすい応募書類

1.エージェントを使わない転職活動とは

ご自身で転職活動をする場合、「エージェントしか知らない非公開求人」が見つけられないのではないか、との心配があるかもしれません。確かにそれは存在しますが、そこまで数は多くなく、公開してしまうと会社に動揺が走る為こっそり募集しなければならない、かなりの重要なポジションだったりします。それ以外は基本的に公開した方が早く採用できるので、非公開求人の数は心配するほどではありません。

よって求人の数だけからするとあまり変わらないので、ご自身のペースでじっくり応募したいという方には、ご自身での転職活動をお勧めしますし、最近はその割合が増えてきています。

企業側からみても、エージェントに支払う紹介料(年収の約30-35%)を抑えたい企業も多く、昨今はエージェント経由に加えて、DS(ダイレクトソーシング)も併用する会社が殆どとなっています。ダイレクトソーシングとは、SNSや求職者登録サイトにおいて、企業の経営者や人事担当者が、求職者にスカウトなどの直接的なアプローチを行う方法です。DSでは人材データベースを持つ会社に対してデータベース使用料を支払い、さらに1名採用できた時点で成功報酬を支払いますが、エージェントの紹介料に比べれば安く抑えられています。

今後はこのDSによる採用活動の比率が多くなると予想されるため、今エージェントのみで活動されている方も、併用を検討されてもよいと思います。

2.スカウトされにくい・されやすい応募書類

さて時代がDS方向へシフトする中、対策としては、スカウトされやすい履歴書、職務経歴書を作成することです。採用担当者は大量の候補者データベースの中から1日に何百人の履歴書を見ることもありますので、その中からいかにスカウトされやすい応募書類を作成するかが重要になります。

1)スカウトされにくい応募書類

以下のような履歴書、職務経歴書はスカウトされにくいので、気を付けてください。

・誤字・脱字、学歴、職歴等に明らかなミスがある
 単純な漢字の変換ミス(大学名の間違い)や、在学・在職期間の間違い(大学を3年で卒業)、学歴が重なっていたり、前職が在職中になっていたりする方が多いです。このような応募書類は注意不行き届きとして、他の内容が良くてもスカウトする気持ちにならないものです。もう一度見直すだけで発見できるレベルのミスは本当に勿体ないので、作成後は念入りに見直してください。年数等の間違いは学歴、職歴詐称にもなりかねません。

・特定の会社に対して書かれている
 志望動機欄に多いのですが、「~の理由で〇〇を開発している御社に興味を持ちました」のようにどこか特定の1社に対して書かれた書類と思われるものを、そのままデータベースに登録されている方がいます。この場合も残念ながらスカウトされることはないでしょう。

・現年収に対して希望年収が異常に高い
 データベースによっては、現年収と希望年収の入力が必須な場合もあります。そこで希望年収を現年収からかなり上乗せしている方もお見受けします。現職で能力に見合った収入が得られていないという気持ちからかもしれませんが、最初からかなり上乗せすると、その根拠を求められることもありますので、説明できない場合はやめておきましょう。一般的には転職した場合、キャッチアップに時間がかかることから、1年目の年収は下がる場合もあります。

 エージェントを使っている場合は、上記項目について修正依頼があったりするのですが、ご自身で活動されている場合、自分で気が付かない限りスカウトされない状況が続いてしまいます。転職活動が長期化している方、一度見直してみてください。

2)スカウトされやすい履歴書、職務経歴書

1)について対応するだけでスカウトの確率は上がりますが、さらにスカウトされやすい履歴書、職務経歴書にするためには、以下を意識してください。

・転職理由についての説明があり、納得感がある
 転職理由に「キャリアアップのため」「今までのキャリアを活かして、新しいチャレンジをしたい」という方が非常に多いのですが、これでは漠然としすぎていて情報が不足しています。採用担当者は具体的にどういうキャリアアップがしたくて、どのような求人を探しているのかの情報を知りたいのです。また非常に良いのは、なぜ転職活動をするに至ったのかを書いている方です。納得感のあるものはそれだけでスカウトしたくなるものです。
 逆にこれをを書かないと、人によっては大量のスカウトメールを受け取ることになります。本当に自分を求めている会社からのみスカウトメールが欲しい方、この部分を丁寧に書きましょう。

・業務内容のイメージがつきやすい
 
職務内容の記載は、ご自身の仕事を人に伝えて同業の方に分かってもらえるレベルで書いてください。同じ会社で10年働いているのに、同じ仕事をしているので職務内容が3行しかないという方もいますが、これではなかなかどのような仕事をしているのかイメージがつきません。
 例えば、「チームリーダー」だけでなく、「課長含め5名のチームのチームリーダー、3名の部下に業務を割り振る役割を担当」など現職での自分の役割や、「プログラム制作」だけだなく、「顧客とは仕様について打ち合わせをし、決まった仕様について関連会社に委託してプログラムを制作しています。納品されたもののテストも実施しています。」というような説明があれば、業務内容がイメージできます。
 
・使ったことのあるソフトやツールが書かれている
 業務内容と類似しますが、中途採用では即戦力を求められることが多いです。今職場で使っているソフト、ツールなどあればできるだけ詳細に記載しましょう。過去のものについても経験年数も記載します。
 例えば、3DソフトであればAutoCAD、Solidworks、Creo等、ERPであれば、SAP、Oracle、GLOVIA等、どの機能についてどのくらい経験があるのか記載します。もうAutoCADで10年以上作図しており、それを即戦力として使えるレベルであると分かると、そちらの方優先でスカウトされます。
 WordやExcelについては詳細を書かれているのに、こちらは記載がなかったり、経験年数が書かれてなかったりする方が多いです。ぜひ詳細を記載しましょう。

・英語力が具体的に書かれている
 TOEICの点数を書くことは一般的になってきましたが、同じ600点でも大学の時に取ったものか、先月取ったものかで違いますので、取得年度は記載します。
 また英文メールを日常的に使用している、海外との英語の会議に参加している(発言しなくても)でもプラスになりますので、経験があれば必ず記載してください。そして英語の資料を作成している。英文のマニュアルを読んだや契約書を英語で締結でもかまいません。
 この程度は普通だと思って記載しないと、記載している方との差が出てきますので、特に求人票に英語要件が書かれている場合は、細かいところまで記載しましょう。

 お分かりになったかもしれませんが、良い応募書類は、それだけで面接の一部を実施している気分になり、是非この人に会ってみたいと思わせるものです。丁寧な応募書類はそれだけで魅力的です。時間をかけて良い応募書類を作成してください。